メディアプレーヤー

MPC-BEのインストールと使い方

※この記事は https://eizone.info/ より移行したものを再編集したものです。

MPC-BE(Media Player Classic – Black Edition)は、MP4・MKV・FLACなど多様な形式の再生をサポートしているオープンソースメディアプレイヤーです。

MPC-BEの概要

MPC-BEの用途と活用シーンです。使用目的や導入を検討する際の参考にしてください。

多用な動画や音声ファイルを再生したい場合や、外部コーデックに依存せず軽量な再生環境を構築したい場合。

古いPC環境でもスムーズに動画を再生したいとき、YouTubeのURLを直接入力して映像を視聴したいとき、細かい再生設定やフィルタ調整を行いたいときなど。

機能と特長

  • ハードウェアアクセラレーションによる高効率な映像再生をサポート
  • HDR対応ディスプレイでの広色域・高輝度映像の再生が可能
  • MPC Video Rendererによる高度な映像処理と正確な色再現を実現
  • 再生速度およびアスペクト比の調整機能を搭載
  • 外部字幕ファイル(SRT/ASS/SSA)の読み込みに対応
  • YouTubeなどの動画URLを直接指定したストリーム再生が可能
用語解説

MPC Video Rendererは、Windowsが備える映像表示技術「Direct3D 11」を利用して、映像の表示品質を高めるために設計された再生機能です。画面の明るさや色を正確に再現する処理に対応しており、HDR対応モニター使用時にも広色域かつ高輝度の出力が可能です。映像の動きを滑らかに補正する処理も含まれており、再生画面の視認性を向上させます。
この機能はMPC-BEと同じ開発者によって提供されており、MPC-BEとMPC Video Rendererは高い互換性が確保されています。
ただし、利用の際は DirectX 10(Direct3D 11は後方互換があるため)以降をサポートしている GPUが必要です。


アプリ情報・システム要件・仕様

下のタブから各情報をご確認ください。

アプリ情報

開発者

Alexander Vodiannikov(Aleksoid)氏

開発者の拠点

公式サイト

https://github.com/Aleksoid1978/MPC-BE

アプリのバージョン

1.8.5

提供形態

オープンソースソフトウェア

ライセンス形態

GNU General Public License version 2(GPL v2)

システム要件

OS

Windows 11/ 10/ 8.x/ 7(64-bit/ 32-bit)

CPU

SSE2サポートプロセッサ

メモリ

ストレージ

サポートしているファイル形式

AVI、MPEG、MPEG-TS、DVD-Video、Matroska、WebM、MP4、Quick Time Movie、ISO、3GP、3GP2、Flash Video、Ogg、Real Media、Id Software Game Video、Windows Media Player、Smacker、FLIC Animation、DirectShow Media、Raw Video、Shockwave など

映画など保護された Blu-rayは DVDFab Passkey for Blu-ray があればシームレスな再生が可能になります。

インストールと設定

スライドを進めるには、画面右端の矢印をクリックしてください。

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  • GitHubのダウンロードページ から使用している Windows のアーキテクチャ(x64 または x86)に対応する最新バージョンの[installer.zip]を選択してクリックし、Zipファイルをダウンロード
  • ダウンロードした Zipファイルを解凍
  • 解凍したフォルダ内のインストーラーを起動し、Microsoft Defender SmartScreenがブロックした場合は[詳細情報]を開いて「実行」
  • ユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されたら「はい」で許可
  • セットアップに使用する言語を選択して「OK」
  • 使用許諾契約書に問題なければ同意して「次へ」
  • インストール先を確認して「次へ」
  • コンポーネントの選択はデフォルト設定で「次へ」
  • スタートメニューのショートカットもデフォルト設定で「次へ」
  • デスクトップアイコンを作成するユーザー選択して「次へ」
  • 動画/ファイルを MPC-BEで開く場合は「動画ファイルに関連付け」、音声ファイルを開く場合は「 音声ファイルに関連付け」を有効にする
  • インストールの設定を確認して「インストール」
  • 「完了」でセットアップ完了

📝 動画ファイルに関連付け/  音声ファイルに関連付け を有効にした場合

Windows 11:
動画/ 音声ファイルを開いた際にプログラムの選択画面が表示されるので、「常にこのアプリを使ってファイルを開く」にチェックを入れて MPC-BEを選択してください。
Windows 10:
MPC-BE の初回起動時に Windows の「既定のアプリ」設定画面が表示されるので、「ビデオプレーヤー/オーディオプレーヤー」が MPC-BE に設定されていることを確認してください。

設定

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MPC-BE を起動してメニューバーの[表示]から[オプション]を開きます。

MPC-BE はウインドウサイズに合わせて映像が拡大/ 縮小されます。

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再生するファイルの解像度に画面サイズを合わせる場合は、左サイドパネルの[プレーヤー]から[ウィンドウサイズ]を選択し、[ビデオサイズに合わせる]を有効にします。
また、ウインドウサイズ変更時にアスペクト比が異なると、上下左右にレターボックス(黒帯)が入るので、アスペクト比を固定する場合は、[リサイズ時にウインドウの縦横比を固定する]にチェックを入れてください。

セットアップ時に設定した[ファイルの関連付け]の変更は、[プレーヤー]の[形式]で編集できます。

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[関連付け]の「変更」をクリックすると、ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されるので「はい」で許可します。

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[関連付け]の表示が変わるので、動画ファイルをMPC-BE で開く場合は 「動画」、音声ファイルを開く場合は「音声」をクリックして、それぞれ MPC-BEを[既定のアプリ]に設定してください。
一部の動画や音声ファイルのみを MPC-BEで再生したい場合は、[関連付け]で「解除」を選択した後、[ファイル拡張子]のリストから再生したい拡張子のみを有効にします。
また、MPC-BE がサポートしているファイルを選択した際、コンテキストメニューに「MPC-BE で再生する」や「MPC-BEプレイリストに追加」の項目を表示したい場合は、[エクスプローラーのコンテキストメニュー]内の「ファイル」にチェックを入れて有効にします。

MPC-BE では、メニューバー、コントロールボタン、シークバーなどの表示・非表示を個別に設定できます。
これらのUI構成は、あらかじめ用意された3種類のプリセットから選択することも可能です。

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メニューバーの[表示]でチェックが入っている項目が現在表示されており、クリックすることで表示と非表示を切り替えられます。

「メニューを隠す」を選択すると、メニューバー全体が非表示になります。この状態では、右クリックメニューの[表示]に「フレームのみ」という項目が表示されます。
さらに「フレームのみ」を選択すると、「境界線を隠す」が選択可能になります。

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使い方

MPC-BEのインターフェイスはシンプルなので、PC初心者でも直感的に操作できます。

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ファイルを関連付けしていれば、ファイルを開くと MPC-BEで再生されます。
関連付けしていない場合は、MPC-BEにファイルをドロップするか、メニューバーの[ファイル]から[ファイル/URLを開く]を選択して、再生するファイルを指定します。

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DVDや Blu-rayなどは[ファイル]メニューから選択するか、MPC-BEにドロップして再生します。

DVD や Blu-ray ディスクの再生
ドライブにディスクをセットし、[ファイル]の[ディスクを開く]で選択するか、[DVD/BDを開く]からディスクがセットされているドライブを指定して再生します。
ISOファイルの再生:
[ファイル/URLを開く]から ISOファイルを指定します。
DVD/ BDフォルダの再生:
[ディレクトリを開く]から VIDEO_TS または BDMV フォルダ(親フォルダでも認識します)を指定します。

動画サイトの動画をストリーミング再生

MPC-BEは動画サイトの動画をストリーミング再生でき、プレイリストを利用することで複数動画の連続再生も可能になります。

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YouTubeなどの動画サイトで、再生したい動画を開いて URLをコピーします。

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メニューバーの[ファイル]から[ファイル/URLを開く]を選択し、[開く]のテキストボックスにコピーした 動画の URLを貼り付け、「OK」をクリックすると動画がストリーミング再生されます。

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プレイリストを利用する場合は、メニューバーの[表示]から[プレイリスト]選択するか、[Ctrl + 7]で表示プレイリストを表示し、動画の URLをコピーして[Ctrl + v]でプレイリストに追加していきます。
追加したタイトルは、ダブルクリックで再生できます。

字幕・音声

多重音声の場合は[AUD]、字幕がクローズドキャプションの場合は[SUB]で選択できます。

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音声の変更は[AUD]をクリックして、再生する音声トラックを選択します。

映像と音声がずれている場合は[オプション]を開き、左サイドパネルから[音声]を選択し、[サウンド処理]内の[音声のタイムシフト]を有効にします。
ズレの補正値はミリ秒単位(1秒は1,000ミリ秒)で入力します。
・音声が映像より遅れている場合は、遅延時間を正の値で入力します。
・音声が映像より早く再生されている場合は、進んでいる時間をマイナス(–)の値で入力します。

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字幕は[SUB]をクリックし、[表示] を有効にすると字幕トラックが選択できるようになります。

外部字幕の取り込み

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字幕ファイルを使用する場合は、メニューバーの[ファイル]から[字幕を読み込む]で使用する字幕ファイルを指定します。

キャプチャ

MPC-BEは Webカメラや TVキャプチャなどの映像を表示する(録画は不可)ことができます。

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対応デバイスが接続されている場合は、自動的に検出され、オプション画面の[再生]→[キャプチャ]内にある[アナログ設定]で利用可能なデバイスがリストとして表示されるので、使用するデバイスを選択します。

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キャプチャの設定が完了したらメニューバー[ファイル]から[デバイスを開く]を選択すると、選択したデバイスの映像が表示されます。

AI(ChatGPT)による評価

🧠MPC-BE は、Windows環境において軽量かつ高機能なマルチメディアプレイヤーとして安定した動作を提供するアプリです。内蔵フィルタによる幅広い形式への対応と、高画質レンダリングに対応した出力機構を備えながらも、設定を必要最小限に抑えた構成となっています。

機能性の面では、ローカル再生とURL入力再生に十分対応しており、再生環境としての汎用性は高いです。一方で、細かな再生補正や自動的な再生管理(例:プレイリストの動的制御など)には対応しておらず、上級者向けの手動構成が前提となる場合があります。

安定性に関しては、既存のDirectShow構成をベースとした堅実な設計で、一般的な使用環境では高い再生成功率を維持しています。UI設計もシンプルで過剰な演出がなく、Windowsアプリケーションとしての一貫性があります。

総じて、MPC-BEはシンプルな操作で幅広いメディアに対応できる動画プレイヤーとして、汎用的な利用を目的とするユーザーには十分に適した構成です。高機能を求める一方で、必要な操作・設定を自分で制御できる中級以上のユーザーにとって特に有用な選択肢といえます。

他ツールとの比較

項目

VLC

SM Player

機能性

操作性

安定性

◎:非常に良い ◯:おおむね良い △:やや劣る ✕:対応していない

備考

オリジナルの Media Player Classicは 2010年に更新が停止し、現在は Media Player Classicから派生した「Home Cinema」と「Home Cinema」から分裂した「Black Edition」の開発が継続されています。
また、Home Cinemaは 2017年 7月に開発者の減少を理由に開発停止を発表しましたが、2018年1月に Media Player Classicの開発者 clsid2 氏が Home Cinemaの開発を継続する形でフォークを公開 しています。

更新履歴

  • 2025-06-28:eizone.info(初版公開日 2017-11-06、最終更新日 2024-07-07)の記事を編集して初版公開

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