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Aiarty Image Mattingのインストールと使い方

Aiarty Image Mattingは、最適化された AIモデルを用いて画像内の被写体領域を抽出し、背景を削除して透過処理を行うツールです。

Aiarty Image Mattingの概要

Aiarty Image Matting の用途と活用シーンです。使用目的や導入を検討する際の参考にしてください。

画像の被写体を切り抜きたい場合、背景を削除して透過処理したい場合、複雑な輪郭を含む被写体を抽出したい場合。

商品画像の背景を統一したいとき、人物画像をアイコンやプロフィール用に加工したいとき、デザイン制作で背景のない素材を作成したいとき。

機能と特長

  • 画像内の被写体領域を抽出し、背景を削除して透過画像として出力
  • 髪の毛や細かな境界を含む領域の切り抜きに対応
  • AIモデルによる自動マット生成処理を実行
  • 任意の背景画像や背景色を適用して合成画像を作成
  • 複数画像の一括処理に対応
  • 透過PNGや JPGなど主要画像形式で保存可能

アプリ情報・システム要件

下のタブから各情報をご確認ください。

アプリ情報

開発元

Digiarty Software, Inc

開発元の拠点

中国

公式サイト

https://jp.aiarty.com

アプリの詳細ページ

https://jp.aiarty.com/aiarty-image-matting/

アプリのバージョン

2.6

提供形態

商用ソフトウェア

ライセンス形態

プロプライエタリ(商用ライセンス)

Git

Git

インストール

スライドを進めるには、画面右端の矢印をクリックしてください。

Aiarty Image Matting v2 6 001
Aiarty Image Matting v2 6 001
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インストールの手順
  • 公式サイト からインストーラーをダウンロード
  • ダウンロードしたインストーラーを起動し、ユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されたら許可
  • 使用許諾書に問題なければ「インストール」
  • 「開く」をクリックしてインストール完了
  • 初回起動時にグラフィックカードの情報が表示されるので「OK」で閉じる
  • 試用する場合は「後で通知する」をクリック

システム要件

OS

Windows 11/ 10(64-bit)

CPU

Intel / AMD

メモリ

8GB以上、16GB以上を推奨

GPU

AMD Radeon HD7000シリーズ以降
Intel Haswell (4th-gen core) HD Integrated Graphics以降
NVIDIA GTX 600シリーズ以降
GeForce GTX 1050以上(TensorRT使用時)

被写体認識の仕組み

画像の被写体を切り抜く AIは、画像に写っている対象が「何であるか」を識別して処理するのではなく、画像をピクセル単位の特徴として解析し、そのまとまりが背景から独立して成立しているかどうかを推定します。人間は被写体の意味を理解して「これは生き物」「これは花」と判断しますが、AIはそのような意味付けを行わず、形状や色の変化、輪郭の分離度などを数値的に評価して前景の可能性を判断しています。

このため、見た目としては被写体に見えても、画像内で周囲と連続していたり、境界が曖昧だったり、背景との色差が少なかったりすると、前景として独立した領域として扱われません。AIの前景推定は、視覚的な意味ではなく、画像特徴としての独立性が基準になります。

「独立性」が低い場合、AIはその領域を前景として扱うことができず、背景と同一の構造として判断します。この仕組みにより、被写体の意味を理解している人間の感覚と、AIが前景と推定する基準に差が生じます。

Aiarty Image Matting v2 6 008

上の子羊の画像は、[背景透過]を直接実行すると、明度差が小さいことや、草のテクスチャと毛並みが局所的に類似していることが影響し、すべて背景として処理されます。しかし、Aiarty Image Mattingの AIモデル[AlphaStandard V2]の[領域選択]で[動物]を指定すると、問題なく背景透過を実行できます。

これは、[領域選択]で AIに対して「前景候補」として強制的に指示することで、多少境界が曖昧であったり、明度差が小さくても、前景候補として扱われるためです。さらに、[子羊]は学習データ分布と一致しやすい被写体であり、前景候補として成立しやすいという要因もあります。

Aiarty Image Matting v2 6 007

上の画像は[オカヤドカリ]です。[AlphaStandard V2]の[領域選択]で[動物]を選択すると、正確にオカヤドカリを認識しますが、実際に[背景透過]を実行すると、子羊と違ってオカヤドカリを前景として認識しません。

[領域選択]は被写体の検出を行う AIモデルであり、背景透過を実行する AIモデルとは別の仕組みで動作します。被写体検出は画像全体から対象の領域を大まかに分類する仕組みで、この領域を背景透過モデルに[前景候補]として与えます。
一方、Aiarty Image Mattingの背景透過処理は、被写体と背景の境界をピクセル単位で抽出する方式で、形状の連続性やコントラストを重視します。

水槽内のオカヤドカリは、殻や脚の色が砂と近く、輪郭の明瞭性が低下しており、背景との分離条件を満たしません。加えて、オカヤドカリが AIの学習データ分布と一致しにくい被写体であることも影響し、前景として認識されず、すべて[背景]として処理されていしまいます。

画像を見ると、人の視覚では 「殻=赤褐色」「脚=青系のグラデーション」「砂=淡いベージュ」 と明確に区別できますが、AIは「画素の絶対色」ではなく「局所パターンとしての色」を扱うため、「色が近い」と判断されます。
具体的には、周囲との相対コントラスト・色の変化の滑らかさ・テクスチャ・輪郭の勾配・局所的な色差の統計分布などを[特徴]として扱います。また、AIの学習データは「人物」「犬・猫」「商品」など明瞭な形状を持つ対象が中心であり、オカヤドカリのように小型で細かいパーツが多く、複雑な形状を持つ対象は「まとまりのある固体形状」として扱われません。このため、オカヤドカリ自体が[背景]として処理される結果になります。

このように、人の目が認識する被写体と、AIが認識できる被写体は異なるため、写真の構図・被写体・コントラスト・明度などによって、AIが認識できない場合があります。

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使い方

Aiarty Image Mattingは、AIによる背景透過のほかに、高画質化やアップスケーリングができる AIモデルも搭載しています。

Aiarty Image Matting v2 6 009

編集する画像は、Aiarty Image Mattingにドロップするか、下ペインの「追加」からファイルを指定します。

Aiarty Image Matting v2 6 010

右サイドパネルの[AIモデル]から使用するモデルを選択します。

📝 AIモデルの特徴

  • AlphaStandard v2
    細部の透明度や半透明領域の再現に適したモデルで、毛髪や羽毛など境界が柔らかい被写体の抽出に向いており、微細なエッジの保持や自然なマット(マスク画像)生成を行う用途に適しています。
  • AlphaEdge v2
    境界の明瞭化を優先するモデルで、輪郭線がはっきりした被写体の切り抜きに適しており、ロゴや商品画像などエッジを強調したい用途に向いています。
  • EdgeClear v2
    複雑な背景からの前景抽出を想定したモデルで、細部のディテール維持とエッジ処理のバランスが良く、多要素の写真や自然背景から安定したマットを生成する用途に向いています。
  • SolidMat v2
    形状が明確な固体オブジェクトの抽出に適したモデルで、建築物や工業製品など輪郭構造を強調したい場合に向いており、硬質な被写体の境界処理に効果的です。

前景(被写体)と背景の明度差やコントラストが不足している場合、境界が閉じた形状として連続しておらず、局所的な勾配やテクスチャが背景と混ざり合う構造になっている場合、あるいは被写体の形状や質感が学習データと大きく異なる場合には、前景の独立性が成立せず、背景透過に失敗します。さらに、背景が複雑で似たパターンが多い環境では、輪郭の一部が背景と連続し、前景を抽出できません。このような画像は、一般的に見られるポートレートなどに多く、ある程度「背景透過に適している」画像でなければ、失敗する確率が高くなります。

Aiarty Image Matting v2 6 012

画像の最適化(エンハンスメント)や拡大(2倍)が必要な場合は、[編集]を展開して AIモデルを選択して、「高画質化」をクリックします。
回転・反転・クロップなども可能です。

📝 AIモデルの特徴

  • Smooth Diff v2
    ノイズの軽減や質感の自然化を目的とした処理に向いている Diffusion系モデルで、低解像度画像のざらつきを抑えながら全体の滑らかさを整える用途に適しています。過度なシャープ化を避けつつ、階調の乱れを抑えたい場合に利用しやすいモデルです。
  • More-Detail GAN v2
    画像の細部を強化するための GAN系モデルで、ピクセル単位の微細な特徴を補正しつつ、ピンボケの自動補正とノイズの自動除去を行いたい場合に適しており、細部の明瞭化と劣化要因の低減を目的とした画質補正用途に向いています。
  • Real-Photo v3
    実写写真のノイズ除去と拡大処理を重視した Diffusion系モデルで、色調や階調の破綻を抑えながら自然な質感を維持しやすく、人物写真や風景写真などで破綻を避けた高画質化を行いたい場合に適しています。
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[領域選択]を展開して[開始]をクリックします。

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AIモデルが画像を分析し、前景(被写体)の[領域]を表示します。
上図の場合は[乗り物][スポーツ用品]が表示され、[乗り物]を有効にするとバイク本体が選択され、[スポーツ用品]を追加するとヘルメットも選択範囲に含まれます。

Aiarty Image Matting v2 6 021

余分な領域は、選択して右クリックメニューの[削除]で、領域から除外できます。

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AIモデルが提示した[領域]に、抽出したい前景が含まれていない場合は、[領域追加]をクリックし、手動で対象の領域を追加します。

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設定ができたら[背景透過]の「開始」をクリックします。

Aiarty Image Matting v2 6 020

結果がプレビューに表示されるので、正しく抽出できているか確認します。
問題がなければ「書き出し」をクリックしてファイルを保存します。

前景(被写体)が認識されない場合

AIモデルが正しく前景を認識しない場合は、[被写体認識の仕組み]で記述したように、素材自体が背景透過に適していないケースがあります。また、境界付近の判断が内部処理の変動によって変化し、[前景扱い]になる場合と[背景扱い]になる場合があります。これは、AIモデルの処理が「確率的推定」で構成されているためで、わずかな数値の変動によって前景・背景の判定が変わることが原因です。
「判定の揺らぎ」は、使用する AIモデルや領域選択など、複合的な要素によって生じるため、設定を変更することで、正しく背景を透過できる可能性があります。

対処の手順

前景が正しく認識されない場合は、画面上部の「元に戻す」をクリックして内容をクリアしてから、下記の操作を試します。

  1. 使用する AIモデルを変更する
  2. 領域選択を使用せず、直接[背景透過]を実行する
  3. 複数の領域を選択している場合は、領域を変更する
  4. 1~3を組み合わせて実行する

透過処理の修正

透過処理で背景の一部が残ってしまった場合は、編集ツールで修正が可能です。

Aiarty Image Matting v2 6 022

透過処理が完了すると、右側に修正ツールが表示されるので、[消しゴム]などで残った背景部分をマークします。

エフェクト

透過処理を行った画像は、[エフェクト]が有効になるので、背景の編集、ぼかし加工、白黒での出力などが可能です。

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透過処理後に[エフェクト]から適用するエフェクトを選択します。複数選択が可能です。

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選択したエフェクトは、個別に設定ができます。

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背景を別の画像に差し替えることも可能です。

AI(ChatGPT)による評価

🧠 Aiarty Image Matting は、背景透過と高画質化を一つの環境で行える点が特徴で、髪の毛やレースなど複雑な境界を持つ被写体にも対応できることが評価されています。ローカル処理で完結するためプライバシー性が高く、基本的な編集や一括処理にも対応するなど、実用的な機能性を備えています。
一方で、被写体と背景の差が小さい画像や複雑な構造を持つ写真では精度が低下しやすく、追加の手動補正が必要になるという制約があります。また、高解像度素材の処理ではPC性能の影響が大きく、動作が重くなる場合もあります。

総合すると、幅広い用途で効率的に背景透過や画質補正を行える一方、画像条件によって結果が安定しないことがあるため、適宜補正や使い分けが前提となるツールです。

他ツールとの比較

項目

Remove.bg

Fotor

機能性

操作性

安定性

安全性

◎:非常に良い ◯:おおむね良い △:やや劣る ✕:対応していない

備考

Aiarty Image Mattingの背景透過は、髪の毛や動物の毛並みなどの細部を保持したまま処理されるため、素材として扱いやすい状態で書き出すことができます。
エントリーレベルの GPUでも動作する設計になっており、フォトレタッチソフトで[パス切り]を行う場合と比較すると、効率よく切り抜きが行えます。

更新履歴

  • 2025-12-08:eizone.info(初版公開日 2010-10-30、最終更新日 2025-03-09)の記事を編集して初版公開

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